「魚を与えることではなく、魚の釣り方を教える」

偽善ではない、でも自分の希望のために、そしてそれが誰かの希望になる可能性のために。BOPビジネスに関心のある大学生の備忘録

BOPビジネスとは

私が最も関心のあるソーシャルビジネスの一手法であるBOPビジネスについて、簡単に述べておこうと思う。

※ここでは、関連書籍から自分なりに解釈し、概要をまとめた。引用は用いてないが、参考となった書籍の一部を最後に挙げておく。

 

 

 

BOPビジネスとは、統一された定義はないのだけれど、概ね共通していることは、

BOPはBase of the Pyramidの略称で、ピラミッドは所得別人口構成を示すもの。つまり低所得者層がbopであり、一般的に年収30万円以下で生活する層を指している。その低所得者層をターゲットとしたビジネスをBOPビジネスと呼んでいる。
さらにそのビジネスの結果が、貧困層の生活を改善したり、貧困問題そのものの解決へアプローチしたりする。



BOPビジネスといっても単純に低所得者層に物を売るだけではなく、段階がある。


①BOP層が市場ターゲットとなる。

よく言われる例は、「小分け販売」だ。シャンプーや石鹸など、まるまる買うお金は出せないけれど、1日分、などのように小分けにして販売すると需要はある。
このように、低所得者が購入できる機会を生みだし、低所得者層に商品を販売する段階。

②BOP層がパートナーとなる。

市場ターゲットではなく、共にビジネスを行う段階である。

ここでは身近な日系企業の例を挙げる。それは、ヤクルト。
ヤクルトを自転車等で配達している女性を見かけたことがあると思う。

彼女たちを通称ヤクルトレディという。現在では、台湾やフィリピンに進出している。

女性は家庭に従事するのが女性の在り方だという固定観念のもと、経済的な自立が果たせないことから女性はある種差別を受け、社会的地位が低かった。しかしこのヤクルトレディは、専業主婦をしながらも収入を得ることができるという点で評価され、ソーシャルビジネスに分類される。

 

途上国で行われるBOPビジネスでも女性の訪問販売は一般的な手法である。

女性はその地域のコミュニティに精通していることや、そのように顔見知りが販売する物に信用や信頼が生じることなどから、店頭販売に比べて商品の浸透がすすむので、女性による訪問販売は一般的である。


今回は一例を挙げるにとどめるが、このようにBOP層の経済的自立を促すようなアプローチの仕方も存在する。



 




単なるボランティアや支援では、貧困問題の根本的解決にはならない。一方的に支援するだけで、その物資が尽きればまた元の状態に戻るのだし、そもそも支援も無限大にできるものではない。現在も、まだまだ支援物資が足りないから、アフリカでは子供たちの命が毎日奪われているのだし、難民は存在しているのである。


もちろん、BOPビジネスに対する反論はいくつかある。BOPビジネスが完全なる貧困問題解決のための救世主にはなり得ない。(なり得ていない、というべきか。可能性は残したい。)


私はBOP層の経済的な独立を目標としたビジネスを展開したいと考える。
私が思うソーシャルビジネスの在り方については、次回。

 

 

 

 

参考文献:

 

 

大転換 「BOP」ビジネスの新潮流

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BoPビジネス戦略 ―新興国・途上国市場で何が起こっているか

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